アンナプルナBCトレッキング6日目①MBC - ABC
6/4、朝4時。
フィンの目覚ましが鳴り、目を覚ます。
わかっていたけど寒い。
昨夜までは、バックパックも持って行き気に入ったらABCに一泊しようと思っていたが、荷物を纏める根性は残っていなかったので、カメラだけを持ってレストランへ。
お願いしていたゆで卵2つをもらう。
今日一緒に行くのは僕を含め5人。
ドイツ人のフィン、サイモン、ウルグアイ人カップルのホセとエミー。
一人同じ時間に起きてきたフランス人がいたが、彼は天気が悪いと言って戻ってしまった。
そう、天気は悪い。
ライトが無いと歩けないほど辺りは暗いが、重たい雲が空を覆っているのはわかる。
とは言え行かないわけにはいかない。
4時40分。
足元を照らしながら出発。
1分でどちらの道が正しいか分からなくなり、ホセが宿のスタッフに聞きに戻る。
どちらでも大丈夫だと思っていたが、どちらでも大丈夫だった。
10分ほどで、日が昇ってきているからかライトはいらなくなる。
酸素の薄さは感じることはないが、筋肉痛はまだしっかりと残っている。
僕の足取りは重い。
しかし、バカなスニーカーを履いているはずのサイモンはやはり早い。
今朝も元気にダイモックスを飲んでいたフィンも早い。エミーも早い。
僕は、ホセちゃんを気遣うていでゆっくり進む。
氷河はあるけど、雪はなく歩くのに問題ない。
5時。
正直皆、日の出は諦め気味。
ケルンがいっぱいある場所があったので少し休憩。
来た道を振り返ると、マチャプチャレが雲の隙間から顔を少しだけ覗かせている。
右を見ると楽しそうなところを歩いている人がいるけど頑張る気にはならない。
大人しく緩やかな道を再び歩き出す。
ずっと遠くに見えていたABCの看板にようやく到着。
サイモンは元気に邪魔をする。
6時、ABCに到着。
見た感じは特に他のところと代わりはない。ただし、ダミアンとガレンがいる。
再会を喜んだ後、彼らが一服している間にちょっとうろうろしようかなと思ったが、後ろを振り返りすぐその考えが間違いだと気づいた。
6時8分。
6時12分。
日の出と息を合わせるように雲がどんどん晴れてくる。
数分前まで全く見えていなかったアンナプルナ山群が姿を現わす。
元気なサイモンが元気に叫ぶ。
「We made it!」
来てよかった。
晴れてよかった。
このずっこけ3人組とここで再会できてよかった。
皆でハイファイブをした後は、ABC奥の高台へ行って各々写真を撮ったりぼーっと山を眺めたり。
満足した後は、レストランのテラスで紅茶を飲みながら自分たちの来た道を望みながらのんびり。
とても贅沢なのんびり。
ダミアンのスピーカーで音楽を聴いていたら、ホセちゃん
「踊りたくなる。」
サイモン
「4000mより上ではNoルールだ。したいことは何してもいいんだ。」
踊るホセちゃん。笑う僕たち。
ダミアン
「暑いのか寒いのかわからない。」
服を着たり脱いだりするダミアン。笑う僕たち。
なお、サイモンのセリフは自分にも言い聞かせていたのだろう。
荷物をがさごぞし、嬉しそうに目薬を取り出す。
よく分からないが中身が凍っているらしく困っている。
最終的に僕のペットボトルの中に、蓋を開けた怪しい目薬を突っ込みしゃかしゃか。
僕は貴重なペットボトルと水を失う。
サイモンとエミーは嬉しそうに水をごくごく。
ブラックサイモンの出来上がり。
9時前。
ダミアンがバックパックへのスピーカーとソーラーパネルの取り付けをちょうど終えた頃、雲が出てくる。
ちゅっちゅしているエミーとホセちゃんを促し、MBCに戻ることに。
きっともう1泊しても、これ以上満足できることは無いと分かったので、僕もそのまま下山することにした。